前項の白骨温泉 笹屋さんから3ヶ月以上も空きましたが、引き続き信州の名湯、白骨温泉での湯巡りにお付き合いください。笹屋さんの次に向かったのは、白骨温泉のシンボル的存在の宿、泡の湯さんであります。
明治45年創業の老舗は趣ある木造の本館と鉄筋造りの新館からなる。泡の湯さんといえば混浴の野天風呂が有名ですが、湯そのものをじっくり堪能するのであれば内湯に限ります。
総檜造りの湯屋には非加熱源泉と加熱された浴槽があり、非加熱源泉は38℃前後の人の体温ほど湯温で源泉そのものを味わえます。そして肌にまとわりつく気泡が極上の浴感へと誘います。これぞ「泡の湯」たる所以でございましょう。(↑写真)
非加熱源泉のうっすらと緑がかった湯色に対し、加熱された浴槽はミルキーブルー。
(↑写真)非加熱源泉と加温浴槽の交互浴で心身共に整います。
次に向かったのは、「泡の湯」と「笹屋」の中間に位置する小さな湯宿「丸永旅館」さん。
こぢんまりとした和の佇まいからアットホームなやすらぎを感じる湯宿であります。
なんと丸永旅館さんの湯は、両サイドの宿、「泡の湯」と「笹屋」各々の源泉を引湯する宿なのです。3・4人サイズの木組みの湯船に淡いミルキーブルーの湯が張る湯殿で、床から腰壁にかけてモノトーンでタイルが施されています。飲泉も可能な湯は、ホクホクのゆで玉子を口に含んだ時とほぼ同じ味がします。
湯殿の奥の扉から露天風呂へ抜けられます。標高1000mの清々しい空気の中、陽に当たると湯はさらに青みを増します。「泡の湯」と「笹屋」源泉をひとつの宿で味わえるという、お得感もいいですね。
そして白骨、最後の湯は温泉街の中心にある日帰り入浴施設「媒香庵」さんです。
こちら、老舗「斎藤旅館」が運営する貫禄ある庄屋造りの施設であります。ぬくもりある民芸調の館内。
野天風呂のみの施設ですが、前方の湯川の谷を見下ろすことができるゴキゲンなロケーションであります。総木造の横に長い湯船にはうっすらと白濁する湯が張り、無数の湯の花が舞いあがります。湯口には飲泉用の〼もあり、白骨の湯は飲むことで胃腸に効能があるとか。
白骨の湯は硫黄と炭酸成分が多く含まれるのが特徴。さらに人間の肌と同じ弱酸性なので肌からの浸透が早いのか、身体を芯からあたためてくれます。これも「三日入れば三年風邪をひかない」いわれる名湯たる所以なのでしょう。では皆さん、健康で素敵な湯巡りを。(訪2022年4月)
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