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執筆者の写真きい

奥鬼怒温泉郷 日光澤温泉(栃木県)後編 p.124

更新日:2019年6月2日


引き続き、栃木県日光市の歩いてしか行けない秘湯、日光澤温泉をお送りします。



前項紹介した内湯の引戸を開けると露天風呂に抜けられます(写真:前方が内湯の浴舎)。

コンクリート造りの5角形の湯壺は中央で区切られ湯口のある側が適温で、湯尻側がぬるめとなっている。空色に反射して青みがかった白濁の湯に身を沈めると、前方の断崖に反響するグォーッという低音のせせらぎが心地イイ。塀が立っているため渓流は見えないものの空が広く見え開放的。この湯壺からさらに10段ほど石段を上った場所(写真:左に見える階段)にもう一つの露天風呂がある。


上にある露天風呂は石造りの7・8人サイズ湯壺にクリアな湯が張る。木樋を伝って撃たせ湯如く、注がれる湯は弱アルカリの重曹-食塩泉。滑らかの湯で絶妙な湯温でかけ流されています。前方にはサクラやシャクナゲが植えられているので、花の頃もステキでしょうね。


湯底にはモミジの葉が型取られた凝ったタイルが施されています。


木樋の下には湯壺を監視するように信楽焼のタヌキが鎮座しておりました。


湯に浸かって見上げると迫り来るような断崖の風景。浸食した岩肌にもモミジや針葉樹がしっかりと根をはって立っています。ワイルドな造形美です。



湯上り後、館内をぶらぶら。どのアングルも画になります。使い込まれたアラジンのストーブなんかこの宿にシックリきます。


木に書かれた「賣店」の文字やレトロな柱時計にもうっとり。


おっ、ジョンレノン来館?と一瞬思わせる紛らわしいらんぼうさんのサイン色紙。山の秘湯といわれる宿でよく目にするアイテム。でも僕は、らんぼうさんは「日本のジョンレノン」だと自負しています。みんなが知っているあの名曲「山口さんちのツトム君」はらんぼうさんが書いたのですから。


売店で買った濁り酒を部屋に持ち帰り、夕食までの時間をチビチビ過ごした。この「原蔵(げんくら)」は会津若松のお酒で、麹の旨みが酒好きのハートをガッチリ掴んでくれます。


夕暮れ時、部屋の窓から見た自然と共存する温かみある宿の佇まい。これを肴に酒が飲めます。


夕食は広間で宿泊客と揃っていただきます。岩魚やてんぷらの山の幸がお膳にのってだされます。宿到着とともに注文していた岩魚の骨酒も登場し、ゴキゲンな宴を過ごせました。


朝食も同じ広間で頂きます。


おひつに入ったご飯はホクホクで朝からガッツリいただきました。


食後は隣の囲炉裏部屋でコーヒーブレイク。食事を終えた他の宿泊客たちと囲炉裏を囲んで温泉話に花が咲きます。これから鬼怒沼にトレッキングをするという山岳温泉好きのご夫婦や、岩手の国見温泉フリークの男性客たちと楽しいひと時を過ごしました。


翌朝はゴキゲンな晴天。チェックアウト後、日光澤温泉をあとに女夫渕までのトレッキングも気持ちよく歩いて帰路につきました。それぞれのいで湯と趣きが異なる奥鬼怒四湯だが、「秘湯」という二文字が一番しっくりくるのが、この日光澤温泉だと思います。では皆さん、健康で素敵な湯巡りを。(訪2018年11月)

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