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  • 執筆者の写真きい

平山温泉 龍泉荘(静岡県)p.104


竜爪山(りゅうそうざん)は静岡市葵区にある身延山地の山で古くから信仰の山として登られている。南側の文殊岳(1041m)、北側の薬師岳(1051m)の二つの峰からなる双耳峰でなだらかな峰をもつ山は家族連れやビギナー登山として親しまれている。そんな山麓の長尾川沿いに湧くいで湯が平山温泉 龍泉荘さん。こちらでは自家源泉である天然硫黄鉱泉を味わえる。JR東海道本線「草薙」駅から県道201号線(竜爪街道)北上した静岡市葵区平山の山間にひっそりと佇む。


同じ静岡市葵区の瀬名に住む僕の数少ない友人、大ちゃんに連れてってもらいました。県道201号線沿いに大石に書かれた案内があり、「御殿乳母の湯」というキャッチフレーズがつく。このフレーズは室町時代の戦国大名にして駿河の守護大名今川家の9代目当主、今川義元の乳母がこの湯に浸かったことに由来する。



大石の案内から荷運び用のモノレールが敷かれた石段を急降下した先に龍泉荘がある。


下って振り返るとこんな感じ


角をアール状に施したタイル張りの四角い浴槽が湯殿の真ん中に鎮座する。浴槽は手前半分と窓側の半分をさらに半分に割った3つに区切られたやつ。中央の石組された湯口からの湯は手前半分の槽に注がれる。そこから反時計回りにオーバーフローした湯が窓側の2槽へ順繰りと流れ込むギミックがなされている。3つに区切られた槽は「適温」・「ぬるめ」・「かなりぬるめ」といった具合。加温された冷鉱泉は単純硫黄泉。ほぼクリアな湯のなかにこまやかな白い湯花も見られ、心地イイ玉子臭も感じる。飲泉も可能で湯温、浴感、共に実にやさしく、必然的に長湯になってしまう。


縁の紺丸タイルがアクセントになったブルー系タイル張りの浴槽。


到着時、3・4人だった浴槽は1時間程経った頃には8人が浸かっていた。まさにイモ洗い。後から来る客のため「ぬるめ」「かなりぬるめ」の槽へと移動しながら、地元の親爺さんと温泉話に花が咲き、狭い浴槽に妙な一体感が生まれる。


湯殿にかけられた温泉分析書。常連の親爺さんの話では、飲むことで胃腸にイイとか、目を洗うことで白内障などにもイイとも言っていた。


壁や天井の塩ビ波板に開けられた簡素な湯気抜きにシビレます。


窓外の長尾川の先に茶畑が広がり里山の風景を縫うように東名高速が走る。


蒼然とした館内の廊下。木枠窓や板張りのくすんだ床に色気を感じます。


湯上りはカラオケ完備の畳敷の休憩室でゴロゴロと。持ち込み可能のようだが、帳場で注文すればカレーやおでんなどの軽食も食べられる。


湯浴み後、大ちゃん家族(奥様とワンパク小僧2名)も合流し、しぞーか県だけでチェーン展開する「炭焼きレストランさわやか」にも連れてってもらいました。中に入ってビックリ!順番待ちの多くの老若男女に圧倒され,美味い店であることが瞬時にわかる。


注文した看板メニューの「げんこつハンバーグ」は炭火で表面を固めに焼かれたこぶし型のハンバーグが鉄板皿に乗せられテーブルに運ばれてくる。すると店員さんがそのこぶし型のハンバーグを半分に切り裂き、その赤いレアな断面をさらに鉄板に焼きつけるとジュン、ジュワーと激しく肉汁が飛沫する。そしてデミなソースを上からダラダラ垂らして、さあ召し上がれ~「美味くないはずがないやん!」という手際良い演出がなされる。噛み応えがしっかり残る肉感と中の赤いレア感が肉本来の旨みを引き出してくれる逸品です。秘めやかな湯と人気のフードスポットを堪能したゴキゲンな一日となりました。大ちゃん家族に乾杯。では皆さん、健康で素敵な湯巡りを。(訪2018年3月)

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