前項に引き続き松川温泉の宿を紹介します。3つの湯宿がある松川温泉の中間に位置するのが松川荘さん。近くにある松川地熱発電所からの電気や蒸気を供給してもらい館内の暖房や周辺の融雪にも利用されている。
昭和35年開業の木造2階建ての5つの棟がそれぞれ渡り廊下で繋がっている。白塗りで赤い屋根のロッジ風のカワイイ佇まいだ。
松川荘さんの内湯(男女別)は入口に「鄙の湯」と書かれた木の看板がかかる。扇型の石造りの浴槽が手前と奥に2つ並ぶ。鄙の湯というネーミングからは程遠いかなり近代てきな造りの湯殿。手前側の浴槽には緑がかった白濁の湯、奥側の浴槽には青みがかった白濁の湯が張る。
2つの浴槽には温度の異なる2つの源泉がそれぞれ注がれている。手前の緑がかった湯は熱め、奥の青みがかった湯は適温よりややぬるめで湯中には溶き卵のような湯花がゆらゆらと舞う。共に酸性の硫黄泉で肌へのピリピリ感がなくまろやかな湯触りだ。(写真↑ホワイトアウト気味で分かりにくいが、色の違いが確認できる)
洗い場にはシャワーなどはなく上がり湯用の湯溜めが設置されている
松川荘さんの混浴露天風呂は松川温泉の宿の中でも一番の広さを持つ。広々とした瓢箪型の湯壺には黄緑色の半透明の湯が張る。広すぎてどこに腰を下ろすか迷うほどだが、やさしめの湯加減でのんびりゆったりの湯浴み。(露天は女性専用もある)
湯口には、きな粉状の湯花がこびり付く。浴後の肌の仕上がりはツルピカで美肌の湯であることは間違いナシ。
露天風呂の手前には「たまごの館」という卵用の露天風呂も。宿のフロントで売られている生卵(1個50円)を購入し湯浴みと並行して温泉玉子作りもできるという粋な演出も
フロント売店にはさらに東北らしい珍しいものが売られていた。ジュンサイの瓶詰や
森のクマさんもぼくも大好物、姫竹(根曲り竹)の瓶詰なども並ぶ
訪問時、天候が優れず一帯が雲に覆われ気付かなかったが、翌朝、高さ46mもあるパックリと口を開いた松川地熱発電所の巨大冷却塔から噴き上げる蒸気にビックリ。見学もさせて頂きました。地下1000ⅿから毎時60tを噴出する300℃の蒸気を利用するなんともオッタマゲーな100%クリーンエネルギーです。では皆さん、健康で素敵な湯巡りを。(訪2017年8月)