石和温泉 旅館 深雪温泉(山梨県)p.80

大菩薩連峰、南アルプス、富士山に囲まれた山梨県の甲府盆地は果実と温泉の郷として知られ、そのほぼ中央に位置する石和温泉。甲州街道の宿場町として栄えてきたこの地は100年ほど前から湯が湧出していたようですが、温泉地としての歴史は1961(昭和36)年ぶどう畑から高温多量の温泉が湧出し付近の河川に流れ出した。そののち、簡素な露天風呂が造られ、「青空温泉」として話題となったのが温泉地としての発展の始まりだったようです。

高度経済成長期真っ只中にできた石和温泉は「中央線の熱海」とよばれた時期もあり、当時は団体客向けの歓楽温泉としてギラギラしていたようです。今でも大型旅館が並ぶ都市型イメージはあるものの、なかでも「お湯重視」の恵まれた自家源泉を持つ湯宿が旅館 深雪温泉だ。住宅街にある3階建て鉄筋造りの佇まいは会社や町の工務店さん的イメージ。

玄関にかかる立派な欅に書かれた看板と「完熟の湯」と書かれた提灯

その横には飲泉所までも
深雪温泉さんには男女交代制の「柿の湯」と「ももの湯」、そして貸切の「ぶどうの湯」の3つがありそれぞれに露天風呂もある。この日、日帰り入浴で利用できたのは「ももの湯」でした。前回4年間の訪問では「柿の湯」を利用できたのでこれで貸切の「ぶどうの湯」以外の2つに入浴できラッキーでした。

浴槽と床に伊豆石のタイルがあしらわれたシックで清潔感ある湯殿。縁に木組みが施された10人サイズの浴槽には対角にふたつの湯口がある。ひとつの湯口からは「完の湯」と名の付く50.8℃の源泉が注がれ、もうひとつの湯口からは「熟の湯」と名の付く36℃の源泉が注がれ、互いが浴槽内でマリアージュ。「完熟の湯」となり絶妙な湯加減を生み出すのだ。湯に身を沈めると新鮮な湯が後ろから前から注がれる畑中葉子の如く贅沢なかけ流しにうっとり。クリアな湯はしっとりサラサラで仄かに鉱物臭香る弱アルカリ性の単純温泉。

飲泉場もあり胃腸病、便秘に効能アリだとか。口にするとほんのり硫黄臭が鼻を抜ける

石造りの湯壺の露天。竹垣で囲われ開放感はないが外光がやさしく入る癒しの空間になっている。

揺れる湯面を透して映る湯底の美しい石目は淡い水彩画のよう
以前入った、「柿の湯」の露天風呂は立派なあずまやがかかり広々としてゴージャス感があるが僕個人としてはこの「ももの湯」が好みかも…。ももの湯だけに浴後はお肌ピーチピチ。

次回は是非宿泊して貸切の「ぶどうの湯」に。石和の住宅街のぶどう棚には完熟ぶどうがぶら下がっていました。では皆さん、健康で素敵な湯巡りを




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