前項に引き続き長野県栄村、秋山郷の温泉を紹介します。前項の切明温泉の湯を堪能した後、歩いてきた旧草津街道に入り、テント撤収のため栃川高原キャンプ場に戻った。その後、小赤沢地区に移動。小赤沢は秋山郷でも一番大きな集落で苗場山登山への最短ルートの登山口でもある。小赤沢に湧く温泉は赤褐色に濁る療養温泉で療養泉基準の倍以上の成分を含有するすこぶるこゆ~いやつ。その湯を味わえるのが小赤沢温泉 楽養館だ。楽養館さんは村営の日帰り入浴施設で郷土料理も楽しめる食事処も併設されている。
ふんだんに木を使った山小屋風のウッディな佇まい。エッジの効いた屋根が冬の厳しさを想像させる。廊下の外壁には近辺の観光スポット、苗場山や大瀬の滝などの大きく引き伸ばしたフォトパネルがかけられている。
小赤沢バス停そばの「赤い温泉」楽養館と書かれた案内看板と幟。今まで赤色で形容されるのは「リングの赤い蝶」ベニー・ユキーデと「赤い彗星」シャア・アズナブルしか知らなかった僕。
ウグイスの鳴き声をBGMに長閑な小赤沢集落をすすむ。案内看板よりくねくね1kmほど上った場所にある。
楽養館さんの湯殿は大小ふたつの湯船が並ぶ。豊富な鉄分のせいで鮮やかな赤褐色の湯が張る。さらに身を沈めると湯底に溜まった湯花が舞い上がりより赤みが増す。「バヤリース」でもない、「なっちゃん」でもない、濃縮還元系の「ポンジュース」の色に近い。適温よりややぬるめの湯は鉄臭と強い塩味が強烈で肌に貼りつくように絡む。嗚呼、効くーっ…特に貧血や婦人病に効果がありそう。
湯口からは常時、源泉が注がれてはないが時折、湯口の管から「クォオ~~~ッ」と千葉真一のモノマネのような音をたてた直後、「ゲボッ、ゴボッ、ガボッ」と苦し気な音を発し激しく注がれる間欠泉のようだ。
湯船の縁にギットギトにこびり付く温泉成分。鉱物質の豊富さが顕著に分かる
さらに湯底には結晶化を始める鉱物質が溜まる。手で潰すとパリパリと割れる感触がキモちE
天井の高い木造りの空間で高窓からの差すやさしい明かりが心地いい。小さい方の湯船は浅く寝湯が可能。さらに沸かし湯のジャグジー、打たせ湯(故障?)もある。
露天風呂はないが裸でゆっくりクールダウンができるウッドデッキのスペースが嬉しい
赤い温泉はニュータイプと呼ばれたシャア・アズナブルのようなスペックの高さとベニー・ユキーデが放つ連打のパンチ力を併せ持ったスバラシイ湯でした。では皆さん、健康で素敵な湯巡りを。