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執筆者の写真きい

那須湯本温泉 新小松屋(栃木県)p.65


前項のビジュアルの強さナンバーワンの老松温泉 喜楽旅館さんに引き続き那須湯本温泉の宿を紹介します。那須湯本温泉は松尾芭蕉が「奥の細道」の旅の前半で2泊ほどした温泉で、現在でも賑わいをみせる那須温泉発祥でもある共同浴場「元湯 鹿の湯」に浸かって芭蕉は「湯をむすぶ誓いも同じ石清水」と詠んだという。「湯をむすぶ」とは湯を手ですくってという意味で、京都の石清水と同じくらいご利益があると絶賛した。芭蕉は痔主(ぢぬし)だったという説もあり、湯に浸かり旅の疲れを癒すとともに痔の痛みも少しはラクになったのかな?なんて想像する。


その「元湯 鹿の湯」の前方にのびる石畳の敷かれた元湯通り沿いには数軒の民宿が並ぶ。その中のひとつ、民宿 新小松屋さんは鹿の湯の目の前にある四代続く明治創業の宿で木造二階建て7室ほどの小さなお宿。この辺りの民宿は内湯を持たない宿が多く、宿泊客は地元の共同浴場(外湯)に下駄履きで出かけるという昔ながらの湯治風情を残す。しかし新小松屋さんは鹿の湯の湯を引く内湯を持ち、さらに外湯にも浸かれるというお得な宿なんです。


新小松屋さんの内湯は外履きに履き替え、建物の外へでた場所にある(男女共)


内湯は男湯・女湯ともに小ぢんまりとした板張りの2・3人サイズの湯船で(イラスト男湯)中に入ると仄かに酸性泉特有の酸っぱい匂いが漂い、差し込む外光のせいか白濁の湯はうっすら緑がかった色をしている。小ぶりな湯船なので湯は常に新鮮で肌に染み入るような酸性の硫黄泉だ。さらに男湯・女湯ともにチェックインから夜の11時までは浴場の入口に札を下げ、貸し切り利用も可能なのだ。いつも混んでいる鹿の湯の湯を独り占めできるのはイイね!


美しい湯色と硫黄成分で変色した湯船の縁


新小松屋さんの夕食はボリューム満点。ぼってりぶ厚い豚の蒸し焼き


アユの塩焼き、カキのホイル焼き、具だくさんの茶碗蒸しなど、なかなかの体育会系パワフルディナーで美味しくお腹いっぱいになりました

食事はボリューミー、宿の内湯以外に2カ所の地元専用の共同浴場にも入れ、さらにさらに「元湯 鹿の湯」の無料券まで付いて、なんと1泊、7000円という安さ。ジャパネットたかたもビックリ価格だ。新小松屋さんのもてなしは温泉好きのハートを忖度する宿と言えよう。次回、地元専用の共同浴場をお送りします。では皆さん、健康で素敵な湯巡りを。

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