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執筆者の写真きい

韮崎旭温泉(山梨県)p.63


山梨県北西部に位置する韮崎市は戦国時代の名門、武田氏発祥の地であり江戸時代には甲州街道の宿場町として栄えてきた。市域は釜無川を挟み西は南アルプスの鳳凰三山から東は茅ヶ岳山麓に及ぶ。山麓や山裾の丘陵地には畑地が多く、特産品でもあるブドウ、モモ、などが栽培されている。さらに北には赤岳を主峰とする八ヶ岳、南には日本最高峰、富士山の姿が望め、深田久弥が選定した「日本百名山」の山が三方を囲い、東の茅ヶ岳だけは「日本百名山」ではなく深田久弥の終焉の地というなんとも感慨深い景勝地である。


そんな名峰に囲まれた韮崎市街地から車で10分ほど西側の釜無川を渡った旭町にある日帰りの温泉施設が韮崎旭温泉だ。広い畑地の中にポツンと佇む小ぶりな温泉施設だ。韮崎旭温泉は隣接する老人保健施設「あさひホーム」の理事長だった方が掘り当てた温泉だそうです。


L字型の御影石で組まれた大きめの浴槽がひとつ、至ってごく普通の日帰り温泉施設らしい湯殿。浴槽内に施されたタイルの色も手伝ってか微かに黄緑色がかったような湯色をしている。こちらの湯は浸かるとおもしろいほどの泡付きがあるのが特徴でシッカリ、クッキリな気泡が全身を包み込みとてもキモちE。見る見るうちに小粒な気泡で全身がまっ白になり、スワロフスキーで埋め尽くされたようなぼくの身体はフレディ・マーキュリーのステージ衣装をまとったロックスターと化す。特にデリケートゾーンのヘアーへの付着はハンパなく海ぶどうの様相を呈する。気泡のベールで覆われた身体は今にも浮き上がるような微かな浮遊感があり、さらに40℃前後のやさしめの湯温とが重なり、あまりの気持ちよさにアホ面で長湯をしてしまった。


鉄臭の強い重曹食塩泉で皮膚の表面をやわらかくし余分な皮脂や分泌物を乳化し洗い流す重曹成分と保湿、保温効果の高い食塩のまさにクレンジングと保湿のオールインワンな泉質は美人の湯といえるでしょう。オッサンのぼくが言うのもなんですが…。


飲泉も可能な湯で容器に入れ持ち帰る客も多く見られた


帰り際、外観を撮ろうとシャッターを切っていたら、イカした佇まいの爺さんがいたので一緒にカメラに収めた。滲みでるブルースフィーリングみたいな渋さが自然でカッチョイイ。近頃、生の歩みが滲みでてるこんな爺さんあまり見なくなったなぁ…。では皆さん、健康で素敵な湯巡りを。

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