top of page
検索

鳴子温泉 農民の家(宮城県)p.59

  • 執筆者の写真: きい
    きい
  • 2017年3月10日
  • 読了時間: 3分

前項の滝の湯さんに引き続き、鳴子温泉からもう一つ紹介します。温泉街の中心からこけし通りに入り陸羽東線の踏切を渡って、坂を下ったところに場末な温泉保養施設がある。宮城県の農協系列で運営する巨大施設で総客室数は360室を有し、本館、東館、西館、北館、平成館、A棟、B棟、文化棟、会議室棟、さらに3箇所の浴室棟で構成された農民の農民による農民のための温泉保養施設、それが「農民の家」なのだ。このヒネリなしのド直球なネーミングに潔さを感じる。


農民の家は観光案内等での掲載はないが、組合員以外の一般の利用も可能なので農民以外のIT関係やアパレル関係、さらにカリスマ美容師までも利用が可能というわけだ。いくつもの棟が渡り廊下で繋がれている迷路のような館内には4つもの浴場が点在し、施設がもつ4つもの自家源泉がそれぞれの浴場に注がれている。

先ずは源泉名、農民の家2号が注がれる浴場「やすらぎ乃湯」。(男女別)源泉名までもド直球。


フロントから一番近い浴場がココ。正面に大きな窓が取られた明るい湯殿。表彰台を寝かせたような形の御影石の浴槽がひとつ。適温の白濁した湯は滑らかな肌触りの硫黄泉。中性の湯で肌によく馴染む感じがある。

源泉名、農民の家3号が注がれる浴場「檜の湯」。(男女別)


名前通りの檜で組まれた湯小屋造りの湯殿。以前は混浴だったがムリクリ湯殿の真ん中で区切ったため浴槽の形にちょっと違和感はあるものの緑がかった白濁の湯が美しい。中性の硫黄泉は浴後の肌のサラサラ感がスバラシイ。


檜で美しく放射状に組まれた天井の湯気抜き

源泉名、農民の家4号が注がれる浴場「炭酸泉」。(混浴)


2つの湯船をもつ板貼りの湯殿。5・6人サイズ湯船に注がれる農民の家4号はヒンヤリちめたい27℃の冷泉。透明だが鉄臭を放つ中性の単純泉でじっくり浸かっていると微かに肌に泡付きがあり、ジワリジワリと肌に染み入るような感じを覚える。もう一つの2人サイズの湯船は上がり湯用に農民の家3号が注がれている。常連の小母様の話では冷泉に10分、上がり湯に5分を交互に何度か繰り返し浸かると慢性的な首の痛みがなくなるという。

源泉名、農民の家1号が注がれる浴場「硫黄泉」。(混浴)


農民の家で一番歴史がある源泉で、3つある硫黄泉の中でも一番硫黄成分が濃く、フロントから一番遠い浴場がココ。天井の高い白壁の空間に薄いブルーのタイルが施された5・6人サイズの浴槽の湯殿。地味で飾り気ゼロの湯殿だがとろみのある硫黄泉には若干のヌルヌル感があり、物言わぬ実力者といった感じの湯殿だ。


農民の家は旅館部もあるが自炊湯治がメインで長期滞在のご年配の客が多く館内には食材や日用品を扱う売店、食堂などがありゲームコーナーのある通路には靴屋さんがたくさんの履物を陳列し販売している。


カラオケスナックまでも完備


掲示板には演歌ショーやカラオケ大会などをはじめグランドゴルフ、ゲートボール大会などの催事のお知らせが。

ぼくは以前、青春18きっぷでみちのく湯巡りをした際、自炊部屋を利用した。その日、到着が遅くなり今は無き国道47号沿いの「ウジエスーパー」へ買い出しにいく元気もなく夕食だけ付けてもらった。大宴会場での夕食はすこぶる賑やかなものだった。ステージ上ではご年配者のパワフルなカラオケがひっきりなしに続くのだ。決して上手いとは言えないが熱いソウルフルな歌声が宴会場に響き渡っていた。では皆さん、健康で素敵な湯巡りを。

 
 
 

© 2023 by Make Some Noise. Proudly created with Wix.com

bottom of page