お医者様でも♪ 草津の湯でも♪ 惚れた病はコーリャ♪ 治りゃせぬヨ♪ チョイナ、チョイナ~と草津に来るとついこの「草津節」を口ずさんでしまいます。前項に引き続き草津温泉「和風村」湯巡りをお送りいたします。前項の大阪屋さんのお向かい、同じ滝下通りに江戸情緒を感じさせるせがい出し梁造りで、窓には千本柄子が施された粋な佇まいをみせる老舗宿「松村屋」。
木造3階建で外観のイメージからは大きな宿に見えるが客室は14室ほど。
松村屋さんの内湯は年季の入った石畳の床に板張り壁の風格ある湯殿。浴槽の縁が檜で組まれた4・5人サイズの浴槽。無駄がなく至ってシンプルだが浴槽向いの洗い場の壁には「草津十七滝の図」のタイルのモザイク画が施されている。草津節の歌詞も描かれてあり実に手の込んだ見応えのあるやつ。これを眺めながらの湯浴みは思わず「草津節」の鼻歌が飛び出した。湯は向かいの宿、大阪屋さんと同じく湯畑源泉だが、宿それぞれの湯殿の趣きが異なるので浴感や気分にも違いがあるのは湯巡りの醍醐味なのでは。
帰り際、帳場で女将さんとの会話で、ここ何年かで草津は中国や韓国からの観光客が一気に増えたそうです。特に平日の湯畑では中国語が飛び交い、ここが草津であることを忘れてしまうほどだそうで、中国語、韓国語、英語が話せないと接客にも苦労があるようです。
しかし草津が近隣国からの観光客で溢れ返ったとしても「草津節」の途中で入る合いの手、コーリャがコリア。チョイナ、チョイナがチャイナ、チャイナに変わる事がないよう伝統を守り続けてもらいたい。では皆さん、健康で素敵な湯巡りを。