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執筆者の写真きい

草津温泉 ての字屋(群馬県)㉗


「恋の病以外ならどんな病気でも治る」といわれ、江戸時代の温泉番付で「西の有馬、東の草津」と大関に選出された(当時の番付は大関が最高位)天下の名湯、草津温泉。JR長野原草津口駅よりバスで25分。草津白根山の南東麓に位置し標高は1200m。


草津温泉には6つの主要源泉があり、街の中心にある「湯畑」をはじめ源頼朝が発見したと伝わる「白旗」や「万代鉱」、「西の河原」、「煮川」、「地蔵」とがある。これらの源泉以外に希少ながら自家源泉を持つ宿がある。創業江戸末期の老舗宿、「ての字屋」さんもそのひとつ。草津のシンボル、湯畑から徒歩2分ほど滝下通りにある純和風の佇まいをみせる。


ての字屋さんがもつ「天然岩風呂」は正面にでぇーんとせり出した岩から自然湧出した湯をそのまま湯船にかけ流すというもの。湧き出たばかりのピチピチの湯が玉垂れの滝となり岩肌に突き刺した木樋をつたって湯船に注がれるというなんとも贅沢な湯浴みができる。ムーディ勝山が「右から来たものを左へ受け流す」が如くこの湯殿は「岩から出たお湯を湯船へ受け流す」のだ。この歴史は1200年にもさかのぼり、絶え間なく今日も湯船を満たし続けている。3・4人サイズの横長の湯船は樹齢500年の檜を組みあげた重厚感あるもの。湯船の右側の湯口も敷地内から湧出している自家源泉という。うっすら白濁した湯は奇跡と思えるほど適温でとろみがあり、少しピリリとする肌触り。まさに「湯が生きている」といった浴感。


時間で男女入れ替え制となるもうひとつの浴場、「たまゆらの湯」。ちょっぴり卑猥なネーミングに感じてしまうが、三面に床から天井までの高さに窓が取られた明るくスッキリとした湯殿。4・5人サイズの石造りの浴槽で縁が木組みされたもの。源泉は湯畑から引湯された湯。まるみがあり少し熱めだがすぐに慣れる温度。天然岩風呂との湯の違いがはっきりとわかる。湯殿の奥から露天風呂に抜けられる。


竹塀に囲まれ開放感に欠けるものの木枕が置かれた腰掛けや柄杓で水分補給できるなどもてなしを感じる露天風呂。

ての字屋さんの岩肌から湧き出す天然岩風呂。この湧きたて濃厚な湯は恋の病にも効きそうなパワーを秘めていた。      では皆さん、健康で素敵な湯巡りを。(訪2016年3月)

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