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  • 執筆者の写真きい

赤倉温泉 三之亟(山形県)⑤


JR陸羽東線の「赤倉温泉駅」から車で数分離れた小国川沿いに数件の宿が並ぶ静かな温泉地。周辺には赤倉温泉スキー場がある。江戸時代には芭蕉と曾良も立ち寄ったといわれる歴史ある温泉。そんな赤倉温泉の入口に建つのが三之亟(さんのじょう)さん。


創業は江戸時代まで遡り、こちらの祖先、高橋三之亟が凝灰岩をつるはし一本でくりぬいて造ったというガッツと心意気を感じる湯殿、「天然岩風呂」(混浴)がある。高さ5・6mはある巨岩が右側面からせり出した造形的空間が広がる。その巨岩の岩肌にはシダ植物らしい緑が自生し、まるで熱帯植物園の中にでもいるかのような湯殿。


この湯殿には3つの湯壺があり手前から10人サイズの「深湯」、その奥に4・5人サイズの「中湯」、右側面から数段上がった場所に巨岩の上の高さから打たせ湯のように湯が注がれる「高湯」がある。「深湯」と「中湯」の間に源泉槽があり湯壺の側面の源泉噴出し口、さらに湯底の岩の亀裂から源泉がじわーんと湧出している。空気に触れず湧き立つ湯は常に新鮮。「深湯」は名前のとおり深い湯壺で立ち湯が可能。さらに「湯かき穴」という窪みのある場所では140㎝ほどの深さもある。人の手でくりぬかれた湯壺の岩肌は天然のマーブル模様を描き出し、湯の波紋を透して見るとなかなかのサイケデリック映像が目に飛び込んでくる。サイケな湯は無色透明できりっと熱め。湧きたてピチピチの湯がじわわーんと肌に染み入るような浴感。浴後は身体がとても軽やかでそのうえお肌さらさら。湯殿の3つの湯壺と巨岩は1つの岩盤で繋がっており元々、湯殿の横を流れる小国川の河岸の自然の一角を囲ってできたガッツと心意気、そしてロマンを感じる湯殿だった。 では皆さん、健康で素敵な湯巡りを。

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