草津白根山の南東麓、標高約1200mにある草津温泉は、溶岩流崖下の盆地状の小平地に温泉街が形成されています。「恋の病以外なら何でも治す」といわれ、江戸時代の温泉番付では「西の有馬、東の草津」と称された天下の名湯であります。
前項で紹介した宿、泉水館さんで日帰り入浴をさせていただいた後、温泉街の東のはずれにある草津熱帯圏を見学しました。
面積約1000㎡、高さ15m余りの大円型ドームの中にイグアナ、ニシキヘビなどの熱帯爬虫類、パパイヤ、ハイビスカスなどの熱帯植物、合計3000点に近い動・植物が草津の温泉熱を利用して飼育・育成されたトロピカル・ジャングル王国であります。
お行儀よくじっとしていたマーラたち。
アフリカツメガエル(アルビノ)は、表情がゴキゲン、目がイっちゃってます。
可憐なピンクフラミンゴもおりました。昔、「ピンクフラミンゴ」っていう、お下劣なB
級映画がありましたなぁ・・・
熱帯圏でのメインエベントといったら、やはりカピバラのエサやりでしょうか。ちびっ子から大人まで楽しめます。
エサやりしながらボディタッチもできます。毛がデッキブラシみたいに硬いんですね。人懐っこくカワイイんですけど、体長1m越え、体重60kg前後の大型のネズミなんですよ。
そしてこの日、宿泊予約していた宿、草津館さんへ。
以前、当ブログでも日帰り入浴で紹介した宿であります。明治20年創業の老舗、木造3階建ての白壁の外観であります。こちらの宿は前項で紹介した宿、泉水館さん同様、敷地内に自家源泉を有する宿であります。
写真中央の白壁の建物が草津館さんであります。まさに温泉街の中心に立地する宿ですが、周りのシンボリックな建物より目立たぬよう、はしゃがぬように河島英五の如く立っています。
草津館さんの石造りの内湯は大・小2つの湯つぼが並びます。手前の小ぶりな湯つぼに草津の6つの主要源泉でもある「白旗源泉」が注がれ、奥側の広い湯つぼに自家源泉である「若ノ湯」が注がれています。
白旗源泉の小ぶりの湯つぼは熱めに、そして若の湯の湯つぼが適温に調節されているので、交互浴には好都合、保温効果もさらにアップ。酸性湯特有の肌がピリピリする感覚はなく、滑らかな湯であります。浴後の一皮むけたような肌のサラサラ感は格別です。
ふたつの源泉に違いの差はほぼ感じないですが、白旗源泉はうっすら灰色がかった湯色で、若の湯はうっすら緑がかったような色にみえます。風格ある石造りの湯殿で、ここでしか味わえない湯に身を委ねるという贅沢さがあります。
脱衣場にかかる古い手書きの分析書のカタカナ書きにほっこりします。明バン緑バン泉がビリー・バンバンを想像させます。僕だけでしょうか・・・
湯殿のすぐそばで自然湧出する若の湯源泉。江戸末期より伝わる歴史ある源泉であります。
そして宿の玄関から外へ数メートルの場所に自然湧出する白旗源泉であります。源頼朝が発見したといわれる源泉で、白旗は源氏の旗印であったことからその名がついたとか。
覗きみると、きれいなエメラルドグリーンの湯色でございます。草津特有の強酸性高温泉には多くの微生物が生息していて、なかでも青緑色の温泉藻イデユコゴメがこの美しい色を放っておるそうです。次回、草津館さんのお食事などを紹介します。では皆さん、健康で素敵な湯巡りを。(訪2020年11月)
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