前項までの4泊5日の古道歩きを終え、最終日に宿泊した南紀勝浦温泉 ホテル浦島さんを熊野古道の最終章として紹介します。熊野灘に突き出た狼煙山(のろしやま)半島に建つホテル浦島は、本館、山上館、なぎさ館、日昇館の4館で構成された巨大リゾートホテルであります。
勝浦港の桟橋からカメさんの送迎船に乗り、約5分でホテル浦島に到着します。平日にもかかわらず、フロントには沢山の人がチェックインため列をなしておりました。人気の高さが一目瞭然であります。
事前予約でこの日はバイキング式の2食付きが取れず、素泊りでの宿泊となりました。お部屋は日昇館の海の見えない洋室で、1泊8000円ほど、そこにGO TOトラベルキャンペーンで35%割引が付き、お安く泊まることができました。
チェックインを済ませ、部屋で荷を解き、5日間歩き続けた濃厚加齢フレグランス香る衣類を持ってコインランドリーへ。洗濯完了の時間を見計らって、先ずはホテル浦島さんの名物
「忘帰洞」へ。
「帰るのを忘れた?」そんなやつおらへんやろ~と、大木こだま・ひびきの気分でいざ入湯。海に向かって口を開いた大洞窟は童心をくすぐるゴキゲンなロケーションであります。うっすら白濁した湯に身を沈めると、香ばしい硫化水素臭がぷんと鼻腔をくすぐります。
洞窟の口を抜けると海側にせり出した湯つぼもあり、荒波が打ちつける音は爽快であります。泉質も素晴らしく、老若男女全てをニンマリさせる温泉です。
海側の湯つぼから見ると、くじらが口を開けたように見えます。海底が隆起してできた岬に熊野灘の荒い風波に浸食されてできた洞窟は、開口25m、奥行き50m、高さ15mの天然モノ。そして洞窟内に天然温泉が湧き、熱い湯溜まりとなって古くから沐浴されてきたそうです。
忘帰洞の入り口には大日如来様が鎮座しています。忘帰洞を後に部屋に戻ると、すっかりコインランドリーで洗濯していたのを忘れていたではありませんか。もし僕が偉い人だったら、「忘洗洞」の名がついたかも・・・しらんけどぉ~
ホテル浦島さんには忘帰洞の他に4つの浴場が点在し、湯巡りが楽しめるんです。本館フロントよりほど近い2つの浴場↓↓↓
ハマユウの湯は(午前が女湯・午後が男湯)滝の湯は(午前が男湯・午後が女湯)と入れ替わります。
そして本館にはコンビニ(ローソン)や食事処も数軒あり、素泊まりの客も安心して宿泊できるのです。さすが勝浦といった居酒屋の看板メニューには驚かされます(写真)。僕は居酒屋でくじらの竜田揚げなどをあてにチンカチンカに冷えたルービーで古道歩き無事踏破にカンパイ。
ホテル浦島さんのもうひとつの洞窟温泉がこちら↓↓↓
そしてもうひとつの内湯↓↓↓
体温ほどのやさしい湯温で良質な食塩硫黄泉にじっくり浸かれます。意外に空いているので穴場かも。
磯の湯の奥側の浴槽の湯口からは波のリズムで時折、プシューッと凄い勢いで湯が噴き出すので、真横に浸かっていると顔面シャワーをくらうのです。ちょうどドラマなどで見かけるカフェで女の子が怒りに任せてグラスの水を男に浴びせるぐらいの勢いと量です。
館内にある昭和感溢れるホテル浦島のジオラマです。手前から「なぎさ館」、その左裏が僕の宿泊した「日昇館」、緑の屋根が「本館」、そして山の上に建つのが「山上館」であります。この4館がトンネルや長~いエスカレーターで繋がっておるわけです。点在する5つの浴場を全て巡るには気力、体力が必要なのです。
カメさん。
宿泊した部屋からは海は見えなかったですが、エレベーターホールからは素敵な朝焼けが見れましたよ。
翌朝、チェックアウトし、カメさんの送迎船で再び勝浦港へ移動、街を散策しました。「勝浦漁港にぎわい市場」の向いにある良好な食塩泉がかけ流される足湯で地元の親爺さんとしばし談笑。
親爺さんの話では浸かると脚の調子が幾分良くなるそうで、時々来るとのことでした。
全裸で浸かりたくなるほどのスバラシイお湯であります。
鮪が有名な勝浦港。旅の〆に「にぎわい市場」でチンカチンカのルービーとマグロ丼頂きました。上品な脂がのったマグロは大変美味しゅうございました。その後、JR紀伊勝浦駅に戻り、ワイドビュー南紀6号で名古屋へ移動、帰路についたのです。そしてこの古道歩きの旅を終えた約1ヶ月後、僕は50歳を迎えました。威厳も貫禄もございません。現世このままこんな調子で転がり続けるんでしょうね。では皆さん、健康で素敵な湯巡りを。(訪2020年10月)
Komentar