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執筆者の写真きい

新高湯温泉 吾妻屋旅館(山形県)前編 p.142

コロナ禍においてまだまだ予断を許さない状態が続いています。うがい、手洗い、そして心の換気も忘れずに、一日も早くマスクを外して外出できる日がくることを願って、以前訪れた温泉を紹介します。


前項で紹介した白布温泉から、さらに1kmほど急坂を上った場所にある新高湯温泉。開湯は明治35年(1902)。以来、奥白布の湯治場として親しまれてきました。白布温泉がかつて白布高湯と呼ばれていたため、新高湯という名がついたようです。スキー場で知られる天元台の真下にあり、標高1126m(いいふろ)の高地に建つ新高湯温泉の一軒宿、吾妻屋旅館があります。

昔から湯治場、そして西吾妻山への登山基地として親しまれてきた吾妻屋旅館さんでは、趣向を凝らした露天風呂が宿の外に4ヶ所あり、高地の清々しい空気に包まれ極上の湯浴みが楽しめます。








先ずは宿の玄関を出て、スグ横に隣接する「貸切風呂」。樹齢300年の栗の大木をくり抜いて造ったアーティスティックな湯船は2人サイズ。カツっと熱めの湯に身を沈めると、木のくり抜き加減が身体の腰から脚先をホールドするかのように滑らかに彫られているため、浸かり心地がバツグンであります。








貸切風呂は入口にかかる木札を「入浴してます」にして、中から鍵をかけて入ります。








玄関を出て少し下った場所に眺望のいい2つの露天風呂があります。









そのひとつ「眺望露天風呂」は東屋がかかる石組みされた10~15人はゆったり浸かれる露天風呂。訪問時、曇り空のためゴキゲンな眺望とはいきませんでしたが、大きな湯つぼに、なみなみと湯が張られた湯面からは湯気がたち、霧がかった空気と重なり合い、しっとり色気のある空間に仕上がっていました。新高湯のクリアな湯はほんのり硫黄臭のある中性の石膏泉で肌に滑らかな湯であります。








もうひとつ「栗の根っこ風呂」は樹齢300超の栗の木の根っこをくり抜いて造られた丸型と横型の2つ湯船が楽しめる露天風呂。2つ共、ひとり占めサイズで横型(写真)は、ほぼ寝て浸かる極楽ポーズであります。全身を包み込んでくれるようなフィット感の湯浴みに思わず喘ぎ声が漏れてしまいました。








ひらけた眺望は見ることはできませんでしたが、「眺望露天風呂」、「栗の根っこ風呂」共に景色を楽しんでもらうためなのか、やさしめな湯温に調節されています。







露天風呂は混浴ですが、18時半から20時まで女性専用時間となり、男性客は宿の外に出ることもできません。訪問時、女性専用「大岩たぬき露天」は入浴不可でした。








そして宿から一番離れた場所にある「源流滝見風呂」はカーブミラーがある曲がり角を左へ進み、川沿いの急坂を上った先にあります。








野趣溢れるワイルドな滝を愛でるゴキゲンな湯浴みは、山の湯ならではの醍醐味であります。火照ったアホ面をヒンヤリとした風が冷ましてくれます。次回、吾妻屋旅館さんの内湯やお食事なんかを後編でご紹介します。では皆さん、健康で素敵な湯巡りを。(訪2019年11月)

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