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執筆者の写真きい

新湯温泉 くりこま荘(宮城県)p.133

栗駒国定公園の主峰である栗駒山(1626m)は奥羽山脈の中央に位置し、高山植物の宝庫でもあります。初夏にはニッコウキスゲなどが咲き誇り、奥羽山脈の女王とも呼ばれる山で、秋には日本一ともいわれる紅葉をみせてくれます。「日本百名山」を著した深田久弥はのちに「やってもうたぁ~、栗駒山も百名山に入れるべきやったぁ~、どないしょぉ~!」などと関西弁で言ったとか言わなかったとか・・・。

宮城、秋田、岩手と3つの県にまたがる栗駒山の宮城県側の山麓には、駒の湯、新湯、温湯、湯ノ倉、湯浜の「栗駒五湯」とよばれる温泉が点在していました。しかし2008年6月に発生した岩手・宮城内陸地震で大きな被害を受け一時、五湯の全てが休業を余儀なくされました。現在までに再開できたのは、当ブログでも紹介した駒の湯温泉と湯浜温泉、そして今回紹介する新湯温泉の三湯のみ。改めて甚大な被害だったことが分かります。








県道42号の終点、いわかがみ平は栗駒山山頂までの最短ルートとされる登山口。その少し手前に位置する新湯温泉 くりこま荘。鮮やかな赤いトタン屋根がゴキゲンな外観。看板のグラフィック、いいですねぇ。稲妻が走ったような「く」の文字もカワイイです。








入口には「義経しのびの湯」と書かれた看板がかかっています。この地は平泉に近いこともあり、自害した義経公の胴塚や寺院などの文化遺産が数多く残っています。








そのため、男湯は「義経の湯」女湯は妻の「静の湯」のネーミングが。下のネーミングは露天風呂。







「義経の湯」(内湯)は板張り空間に床がタイルで施された湯殿。小ぶりな湯船には薄っすらと白濁した湯が張る。28.6℃の含硫黄‐石膏泉を加温して注がれます。人間の肌と同じ弱酸性の湯は肌にキュッキュと貼り付くような湯触りがあり、とてもまろやかなお湯です。







薄っすらとした白濁の要因はこの湯の花。








赤いバルブの冷泉コックを捻って新鮮な湯をブレンド。さらに温浴効果がアップ。嗚呼








湯殿の奥から抜けられる露天風呂(クロベの湯)は、ブナの森に張り出すように小さなデッキが造られている。








その片隅に小ぶりな湯船が。内湯同様、冷泉コック付き。








湯に身を沈めるとこんなロケーション。ブナの新緑に包まれた癒しの空間。目の前に立ちはだかるように立つ大樹はミズナラ。ちなみに日本の美味いウヰスキーはこのミズナラの樽で熟成されているんですよね。日本のウヰスキーの特徴的な香りの源をじっくり観賞しながらの湯浴みです。ミズナラからウヰスキーを想像するのはかなり無理ありますが・・・。昨今、入手困難で飲む機会もめっきり減りましたね。







もうひとつ楽しく観賞できたのが、湯口の木箱の周りを2・3匹のバカでかいアリさんが常時、不審な行動をとっていました。硫黄臭に惹かれてくるのか、それとも木箱に付着した

硫酸カルシウムを必要としているのか、不思議な自然の営みにじっと見入ってしまいました。素朴な湯殿と大自然に抱かれた露天風呂は山の秘湯を満喫することができます。では皆さん、健康で素敵な湯巡りを。(訪2019年5月)

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