top of page
検索
執筆者の写真きい

夏油温泉 元湯夏油(岩手県)前編 p.131

更新日:2020年2月11日

岩手県内陸中部に位置する北上市は北上川と和賀川の合流地点にあり田園地帯を潤す自然豊かな町です。和賀川の支流、夏油川沿いの道をひたすら上流へ進むといくつかの温泉が点在する「夏油高原温泉郷」があり、この温泉郷の最上流に位置するのが夏油温泉です。本気と書いて「マジ」、処女と書いて「オトメ」、夏油と書いて「ゲトウ」と発します。

ゲトウという名前の由来はアイヌ語の「グット・オ」(崖のあるところ)からきているという説や雪のため冬期は利用できないところから「夏湯(げとう)」といわれ、日差しに反射した湯が油のように見えたので後に「湯」が「油」になったなど諸説あるようです。湯の発見は西暦850年頃という伝説をもつ温泉で、開湯以来の宿「元湯夏油」には随所から温泉が湧き、夏油川沿いの狭い谷間の自然湧出するその場所に湯つぼがある深山幽谷の湯治宿なのです。







元湯夏油は本館、別館、嶽館、駒形館の4棟とさらに、自炊棟が4棟ほどあるドデカイ施設です。ビビットな色合いの玄関マットに目を奪われます。このデザインでバスタオルがあったら即購入でしょう。おそらく永ちゃんのバスタオルと肩を並べる逸品です。








元湯夏油には渓流沿いに点在する5つの風呂と2つの内湯があるのですが、それぞれに源泉が異なり、泉質にも微妙な違いがあります。先ずは本館にある内湯「白猿の湯」(男女別)は、夏油温泉の由来ともなる傷ついた白猿を追ってきて湯を発見したという逸話からの名前です。日が差し込む明るい湯殿には6・7人サイズの浴槽にクリアな湯が張っています。石組みされた一角から注がれる湯は鉄分、ラジウムを含む弱アルカリの石膏泉。







適温より少し熱めの湯加減で徐々に身体が慣れてくる。滑らか湯触りでキモちE。








おざなり感まる出しの花の活け方だが、春の訪れを感じます。









もうひとつの内湯「小天狗の湯」(男女別)は本館のお向かいにある駒形館と嶽館の間にあります。本館と駒形館をつなぐ連絡通路を渡って向かいます。







白猿の湯と打って変わって暗めでムーディな湯殿。腰壁から下は御影石張り、腰壁から上は板張りで天井が高い空間になっている。L字型の浴槽の湯は適温に調節された弱アルカリ性の食塩泉。塩味が微妙に感じる程度で軽やか浴感だが、よくあたたまるグッドの湯です。








腰壁から上のふんだんに使われた板張りにも癒されます。








御影石の床は棚田の如く湯の析出物がこびり付く。さらに窓外を覆い尽くす雪の塊も見応えあり。








ひととおり宿の湯に浸かった後の夕食までの時間、北上駅で購入した「雪っこ」を部屋で楽しむ。「雪っこ」は三陸の冬限定のキケンなお酒です。酵母や酵素が生きているにごり酒で甘くて美味しいのですが、原酒なのでアルコールが20℃と高く、調子こいてスイスイ飲んでいるとガクッとくるのでご注意を。プヒィーっ、美味い!







夕食は本館にある大広間で頂きます。冬期休業の元湯夏油だが、宿泊したこの日は雪解けと共に道路が開通した5月の営業初日。初日にも関わらずたくさんの宿泊客がいました。昔から卓効ある湯治宿というのがわかります。








夕食はコゴミ、ネマガリダケなどの山のものから、トコブシやお造り3点盛りなどの海のものまでバラエティーに富んでます。








バッケ(フキノトウ)の天ぷらもサクっと揚がっていました。春のほろ苦さがゴキゲンな宴です。次回、元湯夏油の名物、渓流沿いに点在するお風呂を紹介します。では皆さん、健康で素敵な湯巡りを。(訪2019年5月)

閲覧数:365回0件のコメント

最新記事

すべて表示

Commentaires


bottom of page