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執筆者の写真きい

下諏訪温泉 湯めぐり散歩(長野県)p.130

前項の「上諏訪温泉の湯めぐり散歩」からずいぶん時が経ちましたが、今回は上諏訪の隣町、下諏訪温泉での湯巡りをお送りします。下諏訪は長野県のほぼ中央部、諏訪湖北岸に位置し、諏訪大社下社の門前町でもあります。そして諏訪大社で行われる七年に一度の神事、巨木に数人の男たちがまたがって急斜面を滑走するという、あのすこぶるムチャな奇祭「御柱祭」が有名です。

下諏訪温泉は江戸時代、「下ノ諏訪宿」と呼ばれ、自然湧出する温泉と中山道、甲州街道という二つの主要街道が出会う宿場町でおおいに賑わったそうで、現在でも町内各所から毎分5100ℓ以上ものお湯が湧き、旅館や共同浴場、一般家庭にも引かれて親しまれている温泉地です。






下諏訪駅のロータリーには御柱祭のモミの大木が迎えてくれます。







先ず向かったのは、国道20号沿いにある下諏訪町の第三区事務所の裏にある共同浴場「菅野温泉」です。暖簾がかかる門を進むと、






アーケード通路となる粋なアプローチに僕のハートはロックオン。







入口の篆書体(てんしょ)の看板シビレます。ちなみにスゲノオンセンと読みます。








昔の駅の改札を想わせる硝子張りの番台。直に白ペンキで書かれた営業案内なんかイカしてます。







中央にタイル張りの楕円形浴槽が鎮座し、そのまた中央の円柱状の湯口から注がれる湯を目に思わず、「共同浴場はこうでなきゃ」と発してしまうレイアウトの湯殿です。(前出イラスト)清らかな湯はきりっと熱めのアルカリ性の食塩泉で、柔らかな浴感です。古い湯殿ではあるが清掃が行き届いていてキモちE。








浴槽の年代もののタイルは、やさしい配色。







正面のタイル壁にはヨーロッパ・アルプスをおもわせるモザイク画が施されています。水辺のグラデーションなんかイイ仕事してます。









レトロで閑々たる浴場に心底癒されました。









次に向かったのは菅野温泉から徒歩5分ほどの場所にある共同浴場「新湯」。新湯とはいえ開湯は昭和2年というこの温泉地の歴史の深さを感じます。湯殿は巨乳を真横のアングルで見た形のボインな浴槽が鎮座。壁には富士山のタイル絵が描かれています。








湯のカルシウム成分などの析出物で顔面を覆われたライオンの口からアチチな湯がボインな浴槽に注がれます。








見上げれば湯気抜きが付いた天井。そして隣の女湯からはおば様たちの元気なおしゃべりも聞こえる憩い場でもある浴場です。番台のおば様の話では女性に効能があるようで、女性客のほうが多いとのこと。ボインな浴槽は理に適ってますね。









最後に向かったのは国道沿いに看板が立つ共同浴場「矢木温泉」。高木3号井という源泉の食塩泉で、適温よりやや低めなので長湯向き。とはいえ源泉は100℃近くある高温泉なので加水されています。共同浴場にしては広め湯殿で御影石とタイル張りの浴槽も5・6人サイズと大きめ。








軽い塩味のある湯は、塩ビ管からチロチロと注がれているが、時折ドボドボと激しく注ぐ。







大きく描かれたタイル絵は渦潮を想わせる風景だが、海ナシ県の長野なので恐らく海ではなくライン下り的な絵画なのかな・・・。下諏訪温泉には他にも「みなみ温泉」、「旦過の湯」、「遊泉ハウス児湯」などの共同浴場があり、それぞれの佇まいや湯加減の違いなどを比べながら、はしご湯を楽しむのもいいもんです。では皆さん、健康で素敵な湯巡りを。(訪2019年4月)

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