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執筆者の写真きい

上諏訪温泉 湯めぐり散歩(長野県)p.129

信州一大きな湖、諏訪湖は八ヶ岳や蓼科山に囲まれた諏訪盆地の中央にあり湖面標759m、周囲約16kmという広さを誇る。そんな諏訪湖の東岸に位置する上諏訪温泉は、江戸時代には高島藩の城下町として栄え、甲州街道の宿場として賑わった。さらに明治の頃には生糸の一大生産地としてさらなる発展を遂げた。一日1万5000klという国内屈指の湯量を誇る上諏訪の町を4月のある日、湯めぐり散歩に出かけました。

湯量が有り余っているからといって、駅のホームにまで足湯があるJR上諏訪駅に到着後、先ず向かったのは「大和温泉」という共同浴場。(ちなみにホームの足湯は以前、露天風呂だったそうです)








駅から南へ15分ほど歩くと「湯小路」という、なんともステキなネーミングの交差点にたどり着きます。その交差点を右折してしばらく歩くと、









ゴキゲンにカワイイ建物にぶつかります。昔の郵便局を想わせるレトロな佇まいは、地元(組合員)専用の共同浴場「平湯」でございます。平湯は映画「テルマエ・ロマエⅡ」のロケ地になったのは温泉通のあいだでは知られています。諏訪には80を超える共同浴場があるそうですが、そのほとんどが組合員専用の浴場で残念ながらヨソ者は入れないのです。







ゴキゲンにカワイイ平湯の両サイドからY字路になっていて右側に進むと平湯の裏にある同じ組合員専用の「上湯」を過ぎ、さらに少し進んだ先にサイディングされた一般的な住宅が目的の「大和温泉」であります。ここはヨソ者も300円で入れるありがたい浴場なのです。







この家と家との間の路地を入っていきます。まるで京都の先斗町に点在する路地のようなアプローチではありませんか。







路地を抜けると、家の裏側にあたる場所に出る。中庭のようになった場所の先に浴舎があり、番台で料金を払い、浴舎に入ります。







脱衣場の棚や天井の角には昭和の戦隊ヒーローたちが鎮座しています。マジンガーZこっち、めっちゃ見てます。












うっすら黄緑色に輝く大和温泉さんの湯は、かすかにローションのようなぬめりがキモちいいアルカリ性の単純硫黄泉。湯口の蛇口をひねると50℃超えの湯が浴槽へと注がれます。







男女を隔てる硝子ブロックには川魚の模型が点在し、遊び心を感じます。決して広い浴場ではないが湯気抜きが付いた高い天井なので圧迫感はなく、個人的にも好きな色、グリーンのタイルで清潔感のある清々しい湯殿です。






シャレオツです。いつまでも入っていたくなるやさしいお湯でした。









浴後、諏訪の酒蔵巡りをしました。酒どころ諏訪には、甲州街道沿いにわずか500mの間に5軒の酒蔵が建ち並ぶ「諏訪五蔵」があります。







「横笛」伊東酒造さんでは、入口に貼られた(酒粕詰め放題500円)の文字につられて中へ。甘酒好きとしては酒蔵の良質な酒粕を持って帰らない訳にはいかないので当然のことながら挑戦しました。ビニール袋が結べない状態まで詰めてもOKということで結果5㎏ぐらいにはなったと思います。やはりスーパーなどで売っている酒粕と違って、香りとコクが高いので後日、美味しい甘酒がつくれました。








麗人酒造さんでは、試飲して美味しかったにごり酒(前出イラスト)を購入し、最後に立ち寄った舞姫さんでは純米大吟醸「翠露」(写真)を購入。以前友人から頂いたのを機に虜になったお酒です。雄町(岡山産)の酒米をつかった逸品です。フルーティーですっきりとした甘みが特徴でスイスイいけるキケンなやつです。







次に向かった湖岸近くに建つスクラッチタイルを施した外観の片倉館(前出イラスト)は、昭和3年に片倉財閥の二代目片倉兼太郎が地域住民の健康増進のための建てた日帰り入浴専用施設で名物の「千人風呂」に行ってきました。







アール・デコの香り漂うエレガントな大浴室(千人風呂)には幅4m、長さ7.5mの大理石造りの広々とした浴槽があり、千人は入れないが、2・30人ぐらいはゆったり入れるだろうといった広さ。深さは1.1mもあり、玉砂利を敷き詰めた湯底なので歩行浴をすると足裏が刺激され、いい汗が流せます。シンメトリーの浴室奥の両サイドには、お金持ちの家にありそうな水瓶をもつ女の石膏像が鎮座したりします。さすがにマジンガーZが鎮座する場所はありません。







レトロなステンドグラスや凝ったタイル使いにも癒されます。








長テーブルが中央に配置された広々とした脱衣場。贅沢な造りは、まるでビアホールです。









2階に上がる階段の白壁には、見事な髭を貯えた二代目片倉兼太郎の肖像画がかけられています。頭にテンガロンハットを被せたら、確実にZZ TOPのビリー・ギボンズになります。







2階には売店や広々とした休憩所も完備。湯浴み後の身体にやさしい施設です。







さらに階段を上がると屋上に抜けられ、湖畔の気持ちイイ風を浴びることができます。日本列島のほぼ中央にあたる諏訪湖にはいい湯といい酒があります。では皆さん、健康で素敵な湯巡りを。(訪2019年4月)

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