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執筆者の写真きい

三斗小屋温泉 大黒屋(栃木県)後編 p.167

前項に引き続き、三斗小屋(さんどごや)温泉 大黒屋さんを紹介します。会津中街道の湯治場として賑わい、幕末には5軒の旅籠があったという三斗小屋温泉。しかし戊辰戦争で激しい戦いが行われ、新政府軍によって会津藩が駐留していた三斗小屋の旅籠全戸が焼き打ちにあったという歴史もあります。

万病に効果があるといわれ「三度の飯を食わずとも治る」というのが三斗小屋温泉の名の由来だとか。








大黒屋さんには大風呂と岩風呂の2つ内湯があり1時間毎に男女が入れ替わるシステムになっています。部屋に案内され、先ずは岩風呂に向かいました(前出イラスト)岩造りの小ぶりな2人サイズの湯つぼにクリアな湯が張っています。








岩風呂に注がれる湯は宿の3号泉で源泉が外気の影響を受けやすいとのこと。訪れた11月中旬では湯温も少しぬるめでしたが、トレッキング後の凝り固まった筋肉にはいい湯温でありました。鉱物臭香る湯は弱酸性で肌にしっとり馴染みます。








貸切状態で最高の湯浴みでした。腰壁から上は板張りで、鄙び具合が心地イイ湯殿であります。







夕暮れ時、館内にはランプの明かりが灯ります。磨き上げられた床がひと際です。






そして宿のもうひとつの内湯↓









脱衣場には明治時代に書かれた湯の効能書。効能豊かな温泉であることがわかります。








檜造りの貫禄の湯殿であります。二面とられた窓からは山景色が望める開放感。








湯に身体を沈めると目の高さに見える窓の風景画。もう露天風呂なんぞ要りません。








二槽に別れた湯船は湯口側が熱めになっています。二本の竹筒から湯が注がれていました。ひとつは安定した注入、もうひとつは間欠泉如くゲボっ、ゴボっと不定期に噴き出すように注がれていました。







部屋に戻ると窓からはゴキゲンなサンセット。ジミヘンの「風の中のマリー」、「リトル・ウィング」あたりを聞きたくなるアンニュイな光でありました。




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夕食はスタッフが部屋まで運んでくれます。サケのフライ、湯葉煮、ビーフシチューなど、ホッとする料理のラインナップであります。







どこか懐かしい味のビーフシチューは酸味、甘みのバランスが絶妙。家庭的なやさしいお味でございます。そしてマイタケの香りがふわっと広がる味噌汁も大変美味しゅうございました。







山小屋らしく朝食は6時半。「日本人に生まれて良かった」と改めて認識させられるラインナップであります。







温泉玉子は勿の論オン・ザ・ライスで頂きました。ご馳走さまでした。







山小屋ならではの風情があり、木の温もり、そしていで湯の温もりのダブル効果で心底癒されました。(冬期休業要問合せ)







翌朝は快晴。三斗小屋温泉を後に再び峰の茶屋跡に戻り、下山します。







峰の茶屋跡からみるピーカンに晴れた茶臼岳。








そして対峙する朝日岳のゴツゴツとした山肌。大根おろしには最適な山肌であります。







下山後はバスで那須湯本に移動。民宿「南月」さんで日帰り入浴し、その後、僕の那須のお気に入りスポット「みちのく」さんに立ち寄りました。

みちのくこけし、張り子、土人形、土鈴など昔懐かしの民芸品がところ狭しと陳列された異空間であります。







可愛さや怖さ、そしてちょっとエッチな土鈴たち。








館内は屋根を支える梁が二重に組まれた力強い造りであります。喫茶スペースもあり、民芸品を見ながらのコーヒータイムもオツなものです。







素朴な中にもひとつひとつに造り手の魂が宿っているかのようです。時間の許す限り見させて頂きました。では皆さん、健康で素敵な湯巡りを。(訪2021年11月)


インスタグラム始めましたのでそちらも合わせて宜しくお願いします。

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