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祖母谷温泉(富山県)㊼

執筆者の写真: きいきい

引き続き「トロッコに乗ってルンルン湯巡り」お送りします。前項の鐘釣温泉から欅平の猿飛山荘、そして名剣温泉と巡り今回は最終回、黒部峡谷のさらに奥の奥へ。


本気と書いて「マジ」、夜露四苦と書いて「よろしく」、祖母谷と書いて「ばばだに」と読む。祖母谷温泉は名剣温泉からさらに黒部川の支流、祖母谷川の上流に向かって30分ほど歩いた場所に湯煙を上げる。祖母谷と隣を流れる祖父谷(じじだに)が合流する河原沿いに佇む山小屋営業の温泉小屋で白馬岳や唐松岳の登山基地でもある。


名剣温泉から祖母谷温泉まではいくつかトンネルがあり、最後の長いトンネルを抜けると雪国ではなく湯の国であった


対岸に祖母谷温泉小屋が全貌を現す


この日はテント泊。到着後、テン場で荷を解き、矢継ぎ早に露天風呂のすぐ脇にテントを設営、露天風呂へ直行した。岩で囲われた露天風呂で簡素な脱衣場が付く。7×4mほどのコンクリート造りのプールのような浴槽で3対1の割合で区切られ、狭いほうがぬるめになっている。透明な湯で仄かに硫化水素臭があり消しゴムかすのような湯花が舞う。湯口から熱い源泉と共に温度調節のため沢水も注がれる。周りにはバイケイソウの花が元気に咲き、この秘湯感の強いロケーションに湯浴みする客はみんなニンマリ顔になり自然と話が弾む。露天は混浴だが女性専用の露天もある。

テント泊は露天風呂利用だけなのだが、この日は小屋泊の客が少ないという事でお願いして特別に内湯にも入らせて頂きました。


壁と天井が板張りの湯殿にはで台形のコンクリート造りの浴槽がひとつ。洒落っ気のないシンプルな造りだが色気たっぷりな湯殿。2・3人サイズの浴槽に源泉と沢水が1対1の割合で豪快に注がれ、豪快にオーバーフローする様は見ていて痛快で爽快


壁には手書き感がステキな温泉分析書。昭和ヤクザ映画のオープニングの製作者やキャスティングなどのクレジットで使われる書体みたいでイイでしょ

さらに上流の祖母谷地獄では河原一帯から温泉が湧く源泉地帯で硫黄臭と共に湯煙を上げる。この河原で手造りの湯壺を造り、野湯を楽しむことができるのだ。


この案内の書体もしっかり地獄感出てますね


100℃近い源泉溜まりに何本かのホースが突っ込まれただけのワイルドなアナログ式。小屋や名剣温泉さらに猿飛山荘にも配湯されている


運良く源泉と沢水が注がれる湯壺を発見。中心はイイ湯加減だが沢水側に少しでも動くとヒヤッと冷たく、逆に源泉の岸側に動くと火傷するほど熱い緊張感のある湯壺


この日、小屋には数人の泊まり客はいたが、テン場はぼくだけ。夕暮れ時にはカワイイ猿の親子が訪ねに来るサプライズや夕食後からはほとんど露天を独り占め。翌朝まで貸し切り状態で堪能でき、ゆったり、たっぷり、のーんびりとした湯巡り旅ができました。では皆さん、健康で素敵な湯巡りを。(訪2016年7月)


※「トロッコに乗ってルンルン湯巡り」で紹介した宿はトロッコ列車の運行期間の影響などで全て冬季休業がありますので訪問時は要確認です。

 
 
 

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