箱根湯本駅からバスで5分、歩いても15分、正月恒例の箱根駅伝のコースでもある国道1号線沿いに重厚な唐破風をもつ凛とした佇まいをみせる「福住楼」。明治23年創業以来、福澤諭吉、夏目漱石、坂東妻三郎などの多くの文化人に愛され、全館が国有形文化財に指定されている。全室17室の部屋はそれぞれ細工や意匠が異なり、文化人たちは自分のお気に入りの部屋を指定し逗留されたそうです。
正面の唐破風に施された飾り彫刻。匠の技が光るカッチョよすぎるフェニックス。
帳場に鎮座する可愛いのか、怖いのかよくわからない狸の置物。
福住楼さんの名物、「大丸風呂」は檜を使った白木造りの純和風なしつらえ。中に入ると湯気と共にほのかに香る檜フレグランスに思わずニンマリ。隣にある「小丸風呂」との仕切りには透かし彫りの欄間が施されている。直径2mほどの真ん中に配された湯船は大きな赤松の木をくり抜いて造ったもので縁には一枚ものの銅板かぶされているガッツと繊細さを合わせもつ湯船。透き通った美しい湯面に窓外の楓の淡い緑が転写する。丸い湯船に浸かると自ずと銅の縁に両腕を乗っけてしまう。気分は「ゴッドファーザー」のマーロンブランドといったところ。とても優雅な湯浴みだ。銅の縁は見た目の美しさもさることながら肌触りもとても優しい。湯はほのかにカルシウムなどの鉱物臭がある優しい湯触りのアルカリ性単純泉。宿には他に「小丸風呂」「岩風呂」「家族風呂」がある。
岩風呂の壁に施されたタイルのモザイク画。
稲妻が走るヘビメタチックな便所の組子細工の窓。
柔らかな外光がはいるステンドグラスなど館内のひとつひとつに歴史の息遣いを感じることができる。今回ぼくが宿泊した部屋は「桐2」の部屋でしたが、次回またいつか違う部屋で宿泊したいと思いました。では皆さん、健康で素敵な湯巡りを。(訪2015年9月)
あとになりましたが皆さん、
新年明けましておめでとうございます。
今年も素敵な一年になりますようお祈り申しあげます。
寒さ厳しきおり、どうぞご自愛ください。
本年も宜しくです。
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