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三瓶温泉 湯元旅館(島根県)⑭

  • 執筆者の写真: きい
    きい
  • 2015年11月1日
  • 読了時間: 2分

三瓶温泉はJR大田市駅からバスで40分、島根県を代表する山、三瓶山の南麓に位置する。男三瓶山(おさんべさん)1126mを主峰に女三瓶(めさんべ)、子三瓶(こさんべ)、孫三瓶(まごさんべ)の4つの山々が環状型に連なってできたカルデラの火山。登山口でもある標高500mに広がる西の原、東の原といった草原には放牧牛がのどかな牧歌的風景を見せる。三瓶温泉は江戸時代、孫三瓶山の中腹から湧出するのを発見されたといわれ昔は志学(しがく)温泉という名前だった。これは、男・女・子・孫三瓶山の四岳が由来する。


宿が3軒ほどの鄙びた小さな温泉地。メイン通りから外れた路地を300mほど上ったところにある「湯元旅館」さん。名のとおり三瓶温泉の源泉に最も近い場所に建つ家族経営のアットホームな宿。

こちらの宿には2つの内湯があり、宿泊客はそれぞれ貸し切りで利用できる。大きめの内湯(イラスト)は石組で造られた3・4人サイズの湯壺が1つ。入口側2mほどの高さの壁穴から湯壺に向かってL字型に造られた湯路をジャバジャバと音をたて大量の湯が注ぎ込まれる。黄金色の湯は体温ほど(37℃)の湯温で源泉のままの温度でかけ流ししている。鉄分、炭酸を含んだ食塩泉で湯に浸かり軽く手でかき回すと湯底にふんわり溜まった湯の花が舞い、黄金色の湯が赤錆色に変色する。湯殿で使うタオルも赤錆色に染まってしまうのだ。


女将さんの話ではあえて飲泉用のコップは置いていないが湯路からすくって飲泉も可能だそうだ。湯壺の大きさを全く無視したように惜しげもなくぶち込まれる大量の湯は湯壺から溢れる湯も大量だ。まるで流れる川に浸かっているような感覚をおぼえる。ぬるめの湯だが肌に優しく絡みつくような感触で浴後のポカポカ感も長く持続する素晴らしい湯なのだ。これほどの新湯注入率の高い、かけ流しは見ていて清々しい。こちらの湯元旅館さん、湯量もさることながら食事の量もボリューミー。女将さんと話しながらの食事は美味しく和やかな時間を過ごせました。

共同浴場巡り「志学薬師 鶴の湯」と「亀の湯」


三瓶温泉には2つの共同浴場がある。「志学薬師 鶴の湯」と「亀の湯」だ。「志学薬師 鶴の湯」(イラスト上)は温泉街の中心、メイン通り沿いにあり観光客や地元人でいつも賑わっている。石タイル張りの湯殿で4・5人サイズの浴槽が一つ。湯は源泉を適温に加温したもの。洗い場の壁から勢いよく陶壺に叩きつけるように38℃ほどの源泉が注がれている。これをかがり湯、上がり湯で使うらしい。


「亀の湯」は温泉街から少し離れた住宅地にひっそりと佇むジモ専的共同浴場。意外と高い天井に奥行きのある空間の真ん中に5・6人サイズの小判型の浴槽が鎮座。黄金色の湯に窓からの外光が差し込んでさらに輝きを増す。「光り輝く小判型の浴槽」、なんとも縁起の良い湯殿である。浴槽の真ん中の筒から体温ほどの源泉が注がれ、さらに壁から突き出た塩ビ管からも源泉が注がれている。浴槽の中からも外からも贅沢なかけ流しが嬉しい。無駄な飾り気がない湯殿で所々に床のタイルがかけていたり少しくたびれ感がまた、たまらなくイイ。柔らかい湯温にずっと身を委ねていたいと思った湯殿でした。では皆さん、健康で素敵な湯巡りを。

 
 
 

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