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執筆者の写真きい

出雲湯村温泉 湯乃上館(島根県)⑩


JR木次線の木次駅からバスで20分ほどの場所、奥出雲の斐伊(ひい)川の中流に湧く山々に囲まれた鄙びた温泉地。昔は広島から出雲参詣に行き交う街道の宿場として栄えていたそうですが鉄道の開通と伴に次第に賑わいも薄れ、山あいの静かな温泉地となった。「出雲国風土記」にも登場し「薬湯」と称された古代からの名湯を今でもしっかりと守りつづける宿が湯乃上館(ゆのうえかん)さんだ。


湯乃上館さんは江戸初期創業で現在の建物は明治時代のもの。玄関先にはカヤ葺きの囲炉裏端を備えたあずまやが建つなんとも心和む佇まい。こちらの宿には内湯がなく宿のお向かいにある「漆仁湯」(しつにのゆ)という浴場を利用する。この浴場は出雲湯村温泉の元湯であり共同浴場としても一般解放している。


真ん中にドデカイ丸太柱がそびえ立ち、南面に大きく窓が取られた明るく清々しい湯殿。

板張りのウッディな造りで岩組された大きな湯壺はロッキーな造り。湯は無色透明のアルカリ性単純泉。やんわりと優しいあたりの湯に加水も加温もしていない心地イイ湯温が相まって思わず相好を崩してしまった。窓からの斐伊川の流れを見ながらはんなりとした気分で湯浴みができる。もう身も心もトロトロです。このウッディでロッキーな湯殿にはカランがないのだが源泉がとうとうと注がれた四角い木桶が3つありそれを洗い湯として使うなんとも贅沢な湯使いに湯量の多さが実感できる。湯殿には露天風呂もあり予約をすれば貸し切りの家族風呂も利用できる。


さらに宿から100mほど上流に斐伊川の川底から自噴する宿の主人お手製の野天風呂があり適温の湯があちらこちらでぷくぷくと気泡を上げ湧いている。驚きなのは小魚も泳いでいるのだ。まるで湯の良さがわかっているかのように優雅に泳いでいました。

では皆さん、健康で素敵な湯巡りを。

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