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執筆者の写真きい

三朝温泉 桶屋旅館(鳥取県)⑨


鳥取県の中央に位置する三朝(みささ)温泉はJR倉吉駅からバスで25分ほどの場所にあり三徳川の両岸に大小趣きの異なる宿が並ぶ温泉街。開湯は800年以上前。世界屈指の放射能泉で「万病の湯」と言われてきた薬湯。浸かって良し、飲んで良し、吸って良しの三朝の湯。そんな素晴らしい湯をじっくり堪能できる宿が大正創業の湯治宿、桶屋旅館さん。温泉街の中心から少し離れた場所にこじんまりと佇む入母屋造りのイカした外観。


桶屋旅館さんの持つ内湯「桶屋の湯」は脱衣場から中へ入るともあーんと石鹸の匂いと共に渇いた熱気が身体を包む。10段ほど下りたところに浴槽があるので下りた分、天井が無駄に高い。物音ひとつしない湯殿は壁が一部石組みされたコンクリート造り。高い窓からぼんやり光が入り、この静寂さに包まれた無駄のない造りに神々しささえ覚える。


2m×2mの正方形の浴槽が湯殿の中央にひとつ。岩が敷き詰められた湯底から自然湧出する湧き立てほやほやの湯は時おり気泡をぷくぷく上げる。カツーンと熱めの湯は無色透明でとろみがあり身体の穴という穴からずんずん入り込んでくるような強い浴感。30秒ほど静かに浸かっていると熱さに慣れるがやはり2・3分が限界。しかし浴槽から出ても湯殿の床下にも源泉があるためオンドル状態の熱い床で休むとさらに全身から大粒の汗が吹き出し気分は力石徹。さらに壁の一部に木蓋が立て掛けてある場所には飲泉用の湯溜めがあり柄杓を用いて飲むとコクのある塩味の効いた優しい味。飲泉により痛風、消化器系、神経痛などに効能があるといわれている。この放射能泉はラジウム泉やラドン泉とも呼ばれ、微量の放射線を受けることで人間の細胞は活性化され免疫力、自然治癒力、抗酸化機能が高まり老化や生活習慣病の予防に役立つという。これを放射能泉の「ホルミシス効果」というそうです。浴槽の底に敷き詰められた岩は何年もこの薬湯に沈められているせいか岩肌が銀色にきらきらと輝き放っている。これも「ホルミシス効果」によるものなのか・・・。では皆さん、健康で素敵な湯巡りを。

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