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執筆者の写真きい

泥湯温泉 小椋旅館(秋田県)③


秋田、岩手、宮城の県境、国定公園栗駒山麓にある標高1000mを超える山の谷間に噴煙を上げる温泉地。近くには日本三大霊地の一つ「川原毛地獄」がありその先には落差20mの天然の湯滝が豪快に降り注ぐワイルドな野湯、「川原毛大湯滝」がある。


泥湯温泉は今では小椋旅館を含む2軒の宿だけだが、泥湯の集落に入ったとたん昭和のはじめにもどったかのような感覚に包まれる。小椋旅館は質素な木造2階建の建物で赤いトタン屋根がいいアクセントになっている味のある佇まい。宿泊棟の道を挟んだお向かいの棟に浴場があり入口の引き戸の硝子には白い筆文字で「元祖山の湯」と書いてある。


無駄のない檜造りの湯殿。左奥には個室の打たせ湯が一本。泥湯という名のとおり灰色がかった白濁の湯は酸性泉ながらまろやかな肌触り。昔は混浴だったのか男女の仕切りはあるのだが湯船は仕切りの下でつながっている。いい湯があれば飾り気なんぞいらないのだ。カランにシャワーなんぞつけなくていいのだ。これぞ湯治宿と言うような素敵な湯殿。

泥湯温泉のある木地山高原はこけしの産地で泥湯温泉と小安峡温泉の中間に木地山こけしの名工、小椋久太郎(おぐらきゅうたろう)の家と石碑がある。小椋旅館のご主人に尋ねると久太郎氏とは遠い親戚だそうです。独特な顔の表情が特徴の久太郎こけしは小椋旅館の玄関に2体いました。


うっすら微笑んだような顔、怒ったふくれ顔、やさしく見守る顔、疑ったような顔、すっとぼけ顔、寂しい顔、色んな表情にとれる久太郎こけしは、恐らく人間の全ての感情が一つに凝縮された顔なのだと思う。因みにうち(私の)にも4体おります。見ていて飽きません。

では皆さん、健康で素敵な湯巡りを。

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