本日よりブログをスタートします。〔湯巡画報〕の創刊です。みなさん宜しく。
積善館は国や県の文化財指定の「本館」と「山荘」、ラグジュアリーで高級感のある「佳松亭」のそれぞれ趣きの異なる三つの棟が傾斜のきつい林にへばりつくように建っている。中でも日本最古の湯宿建築といわれる「本館」は元禄4年(1691)という木造の趣きある建物で宮崎アニメ、「千と千尋の神隠し」のモデルになったといわれている。
この積善館の目玉でもある「元禄の湯」は国の有形文化財に指定されている。アーチ型の窓から差し込む斜光が爽快な湯殿に5つの浴槽がシンメトリーに鎮座する。昭和5年に大正ロマネスク様式を用いて造られた当時の姿まま、時が止まったかのような空間がそこにある。それぞれ5つの浴槽の底の穴からむくむくと源泉が注がれ、透き通った湯は温度も湯触りもやさしい。
さらに浴槽に付いている蛇口をひねると熱めの源泉が出るので小ぶりな浴槽に下からも上からも源泉が注がれる事となる。つまり浴槽内は常に新鮮な湯で満たされているのである。畑中葉子は「後ろから前から」だがこの浴槽は「下から上から」なのだ。
飲泉も可能な湯はほんのり塩味があり昔から胃腸に効くといわれている。湯殿右側の壁にはアーチ型の引き戸が2つありそれぞれ個室の蒸し風呂になっている。
国の有形文化財に素っ裸で締まりのないアホ面で湯浴みができる事を幸せに思う。
宿では16時頃から亭主による「館内歴史ツアー」に参加した。亭主のやさしい語りで興味深いおはなしが色々聞けて楽しかったですよ。
では皆さん、健康で素敵な湯巡りを。