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  • 執筆者の写真きい

三斗小屋温泉 大黒屋(栃木県)前編 p.166

日本百名山にも数えられる那須岳は栃木県と福島県との県境から南北に連なる那須火山群の中央に位置する。山体は膨大な裾野を広げ、典型的な溶岩円頂丘(トロイデ型火山)で現在も噴煙をあげています。

山麓には多くの温泉が湧出する一大温泉郷を成し、山腹の標高1460mの場所には康治元年(1142)には発見されていたという、三斗小屋温泉(さんどごや)もあります。今回紹介する三斗小屋温泉 大黒屋さんは江戸時代から続く湯宿であります。








JR黒磯駅よりバスで那須湯本を経て、約1時間、那須岳山麓駅(ロープウェイ)に到着。那須岳のシンボル、茶臼岳へはロープウェイで登ると容易に頂きに立てるのですが、この日はロープウェイを使わず、そばにある登山口よりトレッキングをスタート。








ロープウェイ乗り場の先にある「峠の茶屋」を進んだ先に那須岳登山口があり、鳥居をくぐって山道に取り付きます。








訪問した11月中旬、すでに紅葉のピークも過ぎ、ナナカマドの紅い実だけが唯一のなごりであります。眺望はガスっていてほぼ見えないうえ、風が冷たいです。








火山礫がごろつく緩やかな登山道を50分ほど登りつめると、避難小屋のある「峰の茶屋跡」に着きます。寒さとガスガスでモチベーションが上がらないまま1km先の那須岳の主峰、茶臼岳を目指します。








「♬こごえた両手に~息を吹きかけて♪しばれた体をあたためて~」なんて松山千春を口ずさみながら登ります。








峰の茶屋跡から30分ほどで茶臼岳山頂に到着。何も見ません。実は2008年、約13年前にも登頂した際もガスガスで何も見えませんでした。







そんな中、再び峰の茶屋跡に下り始めて10分ほど経ったころ、風と共にガスがはけ、向いの朝日岳の雄姿がフェードインしてきたのであります。








こうなると俄然向いの朝日岳にも登りたくなります。再び峰の茶屋跡に下り、今度は避難小屋にザックをデポし軽身で朝日岳へ。2000mにも満たない標高ですがアルペン的山容がイイんです。







岩場を進んだ先に現れる「恵比寿大黒岩」。どっちがエベッさんか大黒さんかわかりませんが・・・。







稜線に出ると朝日岳山頂も間近。ふきっさらしの木の枝には氷が付いていました。









峰の茶屋跡から30分ほどで、朝日岳に登頂。山頂にはミニ鳥居と何とも形容しがたいキャラクターの置物が鎮座していました。








山頂からは向いの茶臼岳がクッキリ。わかりにくいですが、写真中央より右側に峰の茶屋跡の避難小屋も見えます。







再び峰の茶屋跡に下り、この日宿泊予約していた三斗小屋温泉に向かいます。








剣が峰の斜面を慎重に下って、御沢の橋を渡るころには緩やかな道となり、軽快なトレッキングとなります。







小ぶりな避難小屋を経て、清水の湧き出る「延命水」で美味しい水を頂きましょう。








そして峰の茶屋跡から1時間弱で三斗小屋温泉に到着しました。左の緑のトタン屋根が「煙草屋旅館」そして左に数段下りた場所に「大黒屋」という二つの宿があります。13年前には煙草屋さんに宿泊させてもらいました。







明治2年に建てられたという大黒屋さんの本館であります。木造二階建て山小屋の趣きであります。







奥には渡り廊下で続く新館も山中にしっくり馴染む佇まいであります。














壁や床板などの張り替えはあるものの、柱や天井の梁などは明治時代のままの館内であります。予定より少し早めの到着でしたが、快くチェックインさせてくださいました。







天井が低いため、二階につながる階段も6・7段と短め。童心をくすぐる館内はかくれんぼに最適な空間であります。







案内された二階の角部屋は四畳半の間。








山に抱かれた宿の部屋からの眺望は、やはり山であります。








板張りの木の風合いに郷愁を感じるあたたかみのある空間であります。








使い込まれた急須ひとつにも色気を感じますね。次回、大黒屋さんの内湯や食事などを紹介します。では皆さん、健康で素敵な湯巡りを。(2021年11月)


インスタグラム始めましたのでそちらも合わせて宜しくお願いします。

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