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執筆者の写真きい

切明温泉 雄川閣(長野県)p.76


前項に引き続き長野県栄村、秋山郷の温泉を紹介します。秋山郷は江戸時代の文人、鈴木牧之(ぼくし)によって初めて世に紹介された。牧之は1828年秋、秋山郷を訪れ、当時のベストセラー「北越雪譜」(ほくえつせっぷ)と「秋山紀行」を著し、秋山郷の風習や習慣を紹介した。6泊7日の日程で秋山郷に訪れた牧之は3日目に湯本(現在の切明温泉)に到着し、湯に浸り「いかにも無人の別世界で命の洗濯をしているようだ。」と書き残している。


切明温泉は秋山郷の最奥の温泉地で開湯は江戸中期とされるが江戸後期に洪水により宿が流されたという。それから250年余り経った昭和47年、村営の宿「雄川閣」として復活したそうです。現在では雄川閣をはじめ3軒の湯宿がある。切明温泉は中津川の河原に自噴する野湯が有名でスコップで河原を掘り、川の水で湯加減を調節するなんともオツな湯浴みができるのだ。


到着後、雄川閣さんでスコップを借りて河原へ直行した。宿の裏にある吊り橋を渡って河原に下りていく


先客の親爺さん、気持ちイイのは分かるが、デリケートゾーン全開の出血大開脚。恐らく対岸からのアングルは「ドッキンハートにまばたきショット」に違いない。


僕の湯壺もなかなかいい塩梅に仕上がった。嗚呼、極楽、極楽~

脚の間から湯がプクプク自噴するのが見える。このプクプク、直に肌に当たると熱い


宿、雄川閣さんの内湯は石造りの大浴場。広々とした浴槽の湯は適温よりややぬるめで塩味の効いた滑らかな肌触り。湯中には細やかな茶色の湯花がゆらゆら舞い、ほんのり肌に泡付きのあるクリアで新鮮な湯だ。


館内から外に出た先に貸し切りの露天風呂がある。簡素な脱衣小屋が建ちその先に自然の景観に溶け込むように湯壺が現れる。先ほど湯浴みをした河原の湯を見下ろす景観でゴキゲンな開放感は見ての通り。距離は離れてはいるものの野湯を楽しむ観光客から丸見えだ。


源泉が近いせいか内湯より熱めで肌への泡付きも多い。湧き出たばかりの湯の新鮮さが如実に分かるスバラシイ湯だ。これはまさに命の洗濯機といえよう。では皆さん、健康で素敵な湯巡りを。


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